はじめての盆栽-1

 

 研修がはじまって1ヶ月がたった頃(5月のあたまくらいに)、盆栽研修に行ってきました。

園芸の勉強、デザインの勉強をするにあたり、日本の伝統的な園芸の代表的なもののひとつである盆栽は外せないということで...

 

 

 まずはじめに「古い木のイメージ」を描く、という課題が出されました。急にそんなこと言われても、古いってどれくらいから古いの?とか考えていたら、大学3年の冬に見に行った屋久杉を思い出したので、うろ覚えで描いてみました。

 

 なんとか落書きのようなスケッチを描いたところで、種明かし。そもそもこの課題の意図は「古い木、長い年月を経て変化してきた木を考えることにより、自然界で長く生きてきた木はどのような風になるのかを想像すること」にあったそうです。盆栽は、木の自然のなかでの姿を表現しようとするので、どんな環境で、どのように木が育つかを考えることが、盆栽をどう育てる、仕立てるか、考えることに繋がるのだとか。

 

 なんだかとても難しい。考えれば考えるほど分からなくなってきたところで、ひとまず盆栽の手入れをしてみることになりました。作業前の姿がこちら。

 

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ネズ(学名:Juniperus rigida)はヒノキ科ビャクシン属の針葉樹で、ネズミサシ、ムロ、モロノキなどと呼ばれています。名前から察せられる通り、葉っぱがとても痛い。

この木の ”みどり摘み” と ”揉み上げ” をやっていきました。

 

 みどり摘みは立ち上がってこようとしている新芽を摘み取る作業で、新芽がまだ柔らかい5~6月に行うと良いそうです。また、揉み上げは、枝先の葉だけを残し、下葉を手でむしり取る作業です。古い葉をしごくことになるので、本来は樹木が休眠する11月~2月中旬頃(地域による)にやることが好ましいそうですが、今回は研修なので春にやらせてもらいました。まだ涼しい頃だったので、元気な木ならそれほどダメージはなかったはず?

 


  ”みどり摘み” と ”揉み上げ” と合わせて、枝棚から下にはみ出ている小枝や小葉を除いたりしたあとのネズがこちら

 

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葉が透けてすっきりしただけでなく、枝棚がはっきりしました。

これ、2人かかりで1日弱かかりました。盆栽初心者とはいえ、樹木の剪定にはそこそこ慣れていたのに、盆栽の手入れはまた違った緊張感がありました。借り物でしたし、ここから理想型に育てていく、というプレッシャーが凄かったです。

 

 左下のきみどり色の明るい部分、これは今年出てきた新葉な訳ですが、先生曰く「これから育てていくところだから切らないで」とのこと。ここを元気にして、枝を十分に太らせたあとにばっさりと剪定するそうです。そうすると、より強いシュート(shoot,茎とそれについている葉の1つの塊)が出てくるのだとか。難しい。きっと時間がとてもかかる。

 

 

 なんだか小難しいけど盆栽が格好良いことは分かる、どこがかっこいいかはよく分からないけど。自然の姿、林学出身だからとてもよく分かる。ただ、それを表現しつつ美しいものにしていくって相当難しいような...あるかも分からない正解を探してぐるぐる考えているうちにもっとよく分からなくなっていくのだった。